ミニオンの朝ご飯

PS4のゲームをよくやります。特に数年継続しているタイトルは「フォーオナー」。超ざっくりオンラインで4vs4とかで斬りつけ合うゲーム。時代感は中世ヨーロッパ的。誤解を恐れずに言うと、楽しさが異常です。

 

ドミニオン」というゲームモードでは、互いのチームが陣取り合戦を繰り広げるわけですが、そのフィールドに我々プレイヤー以外に存在しているのが「ミニオン」。いわば叩けば一撃で死ぬ大量生産された小さいキャラクター達の総称です。固有の名前もなければ顔はそもそもみな同じ。冷たくまとめれば、フィールドを彩る背景の一つに過ぎません。

 

けど、彼ら結構ガタイがいいです。筋骨隆々で、かなりの修行を積んできたことは窺い知れる。またドミニオン開戦時、「ここで戦って死ねば墓で休めるぞ!」的なことも言うので、なんというか良かれ悪かれ精神の仕上がりもだいぶ見受けられる。

 

またたぶん家族いる。妻・子ども・ご両親ほか親戚多数が一つの集合体で日々生きている。その主がミニオン1号であるとする。彼はめっちゃ尊敬されていて、絶対他の家族は彼が食事に口をつけるまでは待ち続ける。子どもとか彼に叱られたら10時間レベルで外に放り出されたりもする。ただし犬だけには彼は優しい。

 

兄弟間で骨肉の争いも何度か経験してる。伝統と改革どちらを重んじるかで氏族の方向性について意見が何年も平行線になったこともある。結果弟は遠く離れた地で孤独に生きることになったりもした。しかしいまだに兄弟間では伝書鳩でのやりとりが続いている。

 

とか色々あったミニオン1号を「R1+R2同時押し(範囲攻撃)」で一掃してしまう私。

 

ゲームだから一掃してしまったことに落ち込んだりしない。残虐すぎる…とマリオテニスに乗り換えたこともない。だって本当はドットの集合体でしかないから。

 

 しかし無理無理にミニオン1号を考える時、「彼の生き様が~」とか、「彼の家族が~」もそうだけど、「彼は毎日朝起きて歯を磨いて朝ごはんを食べてきた。多分小さい頃は栄養も考えた献立を毎日彼の母が早起きして作ってくれた。本当に毎日。学校で図形問題とか学んだ。夜寝る前に本も一日数ページずつでも読んできた。背もいっぱい伸びたし散髪も何百回も行った」みたいに積み重ねた1万何日かを儚く思うことはある。

 

しかもこれが1000人いたとして、1000人が10000日朝ごはん食べてきた。お母さんが何千日朝ごはん作ってきた。この膨大な「量」まで想像すると、さすがにコマンドを入力する際にコンマ何秒かの躊躇を感じる。

 

何かを抑制すべき時、想像力はとことん極限まで行っていいと思うし行くべきだと思う。行動は現実的に、で致し方ない時はあるけれども。

 

だから取り合えずゲーム上不利になることを憚らず、あまりミニオンは倒しにいかないタイプの戦術を採用しがちな私。